恥ずかしい?なぜ日本人は【メンタルヘルス/カウンセリング/心療内科】に拒絶反応を示すのか【教育改革の必要性】
【メンタルヘルス/カウンセリング/心療内科】など、心と結びつくデリケートなジャンルについて日本ではまだまだ『触れてはいけない領域』として腫れ物にさわるように扱われているのが現実ではないでしょうか。
親しい間柄であっても「私はカウンセリングに通っている」と公言できない、したくない、恥ずかしい、というのが実情です。
そして、【メンタルヘルス/カウンセリング/心療内科】は『異常』『精神病』として好奇の目で見られ、そこに通う人は『異常な人』としてカテゴライズされてしまいます。
しかし欧米では【メンタルヘルス/カウンセリング/心療内科】は、「熱が出たから病院に行く」「体調が悪いから検査をする」「目の調子が悪いので眼科に行く」「歯が痛いので歯医者に行く」といった感覚と同じもので、日本ほどハードルは高くありません。
それどころか、特に何の問題もなくても健康診断感覚で日常的にカウンセリングを取り入れています。
心に関わる異変は誰にでも起こり得ること
一度も風邪をひいたことがない人は滅多にいないのではないでしょうか。
体調不良で1度も病院にいったことがない人もいないでしょう。
「体調に異変を感じたら病院に行って診てもらう」
「診察してもらい治療をする」
それは皆が至極当然に行なっている行為ではないでしょうか。
しかしそれが『心の不調』となると突然ハードルが高くなってしまう謎の現象が起こってしまうのです。
身体が疲労するように、心も疲労します。
身体の疲労が心に影響を及ぼし、心の疲労が身体に影響を及ぼすのです。
身体と心は表裏一体で互いに影響を及ぼし合っています。
例えば、
・大きな発表や大会などを目前にし、緊張することにより食事があまりできなくなる
・逆にストレスにより、それを軽減させるために過食してしまう
・心配事があり眠れなくなる
・病気により全てのことに無気力になってしまう
・生理痛などによるPMS(月経前症候群)
なんらかのストレスにより自律神経のバランスが乱れ、脳内神経伝達物質の分泌異常により、動悸・めまい・発汗異常・不眠・無気力など、様々な症状が身体に現れます。
逆も然りで、身体の不調による苦痛が精神的なストレスを誘発してしまうのです。
誰でも体感したことがあることではないでしょうか。
心と身体は繊細に影響を与え合っているのです。
「話すこと」自体にストレスを軽減させる作用がある
問題が重ければ重いほど近しい人に話すことができないという心理が働き、誰にも言えないまま自分を追い詰めてしまう。
相談すればきっと親身に話を聞いてくれるであろうと思うけれど言えない。
真面目な人ほど、人に迷惑をかけたくないという気持ちから自分の中に溜め込んでしまうものです。
カウンセリングとは自分と何の利害関係もない赤の他人に話をする、聞いてもらうことで『心を整理する』ことです。
「話す」ことで自分の気持ちを再認識し、頭の中を整理することが出来るのです。
赤の他人という第三者からの目線で自分の思いもよらないような発見ができ、それが問題解決の糸口になることもあります。
「話す」だけでは直接的にすぐ問題解決するわけではありませんが、「話す」ことでストレスや孤独感は軽減され、次のステップへ進むことができるのです。
日本でメンタルケアが広がらない理由
【メンタルヘルス/カウンセリング/心療内科】、これらは人が生きていく上で「良いこと」のはずなのに、日本では偏見などにより普及していないのが現状です。
何故でしょうか?
これは文化的に日本人が「他人に心の内を打ち明ける」こと自体が苦手であること。
そして、日本ではカウンセリングは保険適用ではないということも、足を遠退かせる要因になっているます。
いざカウンセリングが必要だと感じても、お金の負担が高く通い続けることが出来ないと判断し諦めてしまうのです。
また、日本が欧米などに比べて心理学やカウンセリングに関する教育機関が少ないことにもあると考えています。
実際私は「心理学専攻」希望で大学を受けようと検索したのですが、その少なさに驚きました。
そもそも偏見などにより心理学に関する業界の規模が成長せず「稼げない」ということから、その道に進む絶対数が少ないということが相互要因となっているのでしょう。
稼げないからその道に進む人が少なくなる。
需要が少ないので教育機関が拡大しない。
そして業界全体が育たなくなり停滞してしまう。
個人的には小さい頃からの教育に「心理学」を取り入れればいいのではないかと思っています。
小学生には「道徳」という授業がありますが、これをより幅広く捉えた「心理学」に置き換えて学べば、その本質を理解することができ、いわゆるアレルギー的なものは薄れるのではないでしょうか。
その結果【メンタルヘルス/カウンセリング/心療内科】に行くことに関するバリアが少なくなり、お客さんが増えることで「心理学」に関わる職業でも「稼げる」ようになり、自ずと「心理学科」の需要も増えるというプラスのループに乗ることが出来るはずです。
また、幼少期より「心理学」を学ぶことで自分の感情や心のコントロールが出来るようになり、さらに他人の心にも関心を持つことが出来るようになるという相乗効果も得られるのではないでしょうか。